塗仏壇(金仏壇)について

塗仏壇(金仏壇)について

塗仏壇(金仏壇) 塗仏壇は、外部を漆で黒く塗り、内部に金箔を貼った華麗な仏壇で、金仏壇とも呼ばれています。
一般家庭の仏壇は、庶民に仏教が定着した江戸中期頃に初めて作られたと言われ、最も古い物としては、滋賀県長浜の旧家にある「長浜壇」と呼ばれる物で、弓状の弓長押が付いているのが特徴です。
江戸時代は各藩とも独立採算性でしたから、仏壇も極力自分の藩内で作られました。
現存する各地の仏壇メーカーはその名残で、山形仏壇・新潟仏壇・富山仏壇・金沢仏壇・鹿児島県の川辺仏壇・広島仏壇・彦根仏壇・三河仏壇・名古屋仏壇・飯山仏壇など、それぞれの特徴があります。
かつては東京や大阪・京都などでも優れた塗仏壇が生産されていましたが、既製品は人件費の安い地域との競合に勝てず、現在では生産されていません。

江戸時代は鎖国をしており、唐木が入手出来ず総て塗仏壇でした。
それも富裕層を対象にしたオーダー生産が大半で、大変高価な物でした。
金沢などの北陸地方や名古屋などで、「仏壇がステータスシンボル」として扱われたのは、資産家で、かつ信仰に篤い良家だったからと思われます。
一方で中産階級では押入や茶箪笥の一分を改造した簡素なヒナ壇に位牌などを祀っていましたが、漆塗りの仏壇とはかけ離れた物です

一般的に塗仏壇は、内部に精巧な宮殿を作り、更に漆塗り・金箔押し・欄間彫刻・蒔絵飾金具など、工芸品としての要素が強く、手間を懸ければキリのないものです。
従って、国内でも人件費の安い地域で生産されるようになりました。
秋田の塗仏壇なども、漆器の産地だった稲川町の漆器業者が、北陸の仏壇や名古屋の仏壇を模倣して仏壇を作るようになりましたが、今では大半が中国で量産されています。
広島仏壇も大半は中国製です。
中国では漆を塗る技術が確立されておりませんので、大半がカシュー(=カシューの木の果実から採れる油性塗料。カシューウルシ)かウレタン塗装です。
見た目には国産品のように美しく出来ておりますが、コストを下げるため、素材にボードを用いている商品が多く、修理や洗濯が出来ない使い捨て商品が多くなっています。
塗仏壇は唐木仏壇に比べ大変高価な物ですので、この辺を仏壇店で確かめてお求めになると良いでしょう

専門的な話になりますが、漆塗りでも下地から漆を用いた物は輪島の漆器のように大変手数がかかり、上塗でも漆の「塗立て」と「呂色磨き仕上げ」では数倍の違いがあります。
又、金箔でも純度により、一号色(純度97.66%)・二号色(96.72%)・三号色(95.79%)・四号色(94.43%)があり、更に同じ金箔でも、一般に用いられるのは「裁ち切り」ですが、上質の物は「縁付き」と呼ばれ、金箔に延ばす工程で最高の和紙を用い、更に一枚一枚を吟味した金箔です。
更に、金箔を漆を用いて貼ると、手間がかかり、化学塗料で貼る方法がありますが、耐久性が遙かに弱くなります。 金粉蒔きも同様です

蒔絵なども本物と、スクリーン印刷技術を用いた物では、天と地の開きがあります。
塗仏壇の場合、まともな本物は「伝統工芸品」として国の認定を受けていますが、極めて高価に付きますので、殆ど流通していません。
塗仏壇の高級品は、解体修理が可能ですので、仏壇店でお求めになる時のチェックポイントになります

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